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米軍によるイラク市民のあいつぐ虐殺に抗議します

アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュ様
WORLD PEACE NOW

さる5月26日、アメリカの各メディアは昨年11月19日にイラク西部のアンバル州ハディサで、米海兵隊員が女性や子どもをふくむ一般市民24人を虐殺したと報じました。この事件は当初、武装勢力がしかけた路肩爆弾で民間人15人が死亡し、その後の戦闘で武装勢力8人が死んだと報じられていました。しかし、生存者の証言などにより、実際には路肩爆弾で米兵1人が死亡した後、海兵隊員が付近の民家を捜索し、女性や子どもをふくむ市民24人を一方的に虐殺した可能性が高まっています。

ハディサだけではありません。イラク中部のイシャキでは、3月15日に米軍の掃討作戦で武装勢力との交戦になり、「巻き添え」で9人が死亡したと米軍が発表しました。米占領軍は、この攻撃が「適切」なものだとしていますが、地元の警察は、生後6ヵ月の乳児など子ども6人をふくむ一家11人を米軍が射殺したと主張しています。米軍は「民間人虐殺などまったくのウソ」と否定していますが、子どもの遺体などのビデオ映像も存在しています。

西部のハマンディヤでは、4月26日に海兵隊員8人が民家から男性を連行して射殺しました。そして5月末には中部のサマラで、病院に車で向かう途中の妊婦とその親族の女性が「警告を無視して検問所で停止しなかった」という理由で、米兵の銃撃を受け、胎児とともに死亡しました。

これらのあいつぐ市民の虐殺は、決して特殊な例ではなく「氷山の一角」だと私たちは考えています。イラクでの米軍による殺人などの犯罪行為は、まさに日常茶飯事です。その大規模な例が2004年4月と11月の2回にわたるファルージャへの攻撃と市民の大虐殺でした。アブグレイブ収容所でのおぞましい行為に示される米軍の人権侵害と虐待・拷問は、グアンタナモなど世界各地の収容所で日々行われていることです。

こうした市民虐殺などの戦争犯罪は、国連憲章や国際法を踏みにじって強行された「自由と民主主義のための戦い」なるものが、まったく不正な侵略戦争だったことをあらためて物語るものです。

イラク戦争の開始からすでに3年以上が経過した現在、イラクの社会システムは破壊され、電気・水道などのインフラも再建のめどすらたっておらず、治安はますます悪化しています。イラク保健省のまとめによれば、5月だけで遺体安置所に運びこまれた市民の死者数は1400人に上り、今年に入って死者は6000人を超えたということです。市民の間で反米・反占領の意識はさらに拡大の一途をたどっているといわれています。米兵の死者も2500人に達しようとしています。

占領の継続こそが、イラクの人びとの苦しみと絶望を増大させ、恐怖にかられた米軍の戦争犯罪をエスカレートさせる原因であることは、火を見るよりも明らかではありませんか。占領が続く限りイラクの人びとに平和な暮らしはもたらされません。  しかし米国は5月30日にさらに1500人の兵員をイラクに増派したと報じられています。さらに数多くの市民を殺害し、傷つけ、人権侵害を繰り返そうというのでしょうか。

戦争と虐殺はもうたくさんです。多国籍軍の一翼を担う自衛隊の派遣国である日本の私たちは、イラクから自衛隊をふくむすべての占領軍を撤退させることを要求します。そして米国の戦争による被害者に公正な保障を行うことをもとめます。

私たちは、それこそがイラクの人びとの大多数の願いであり、アメリカを含む世界の人びとの願いであると確信しています。

2006年6月17日

連絡先 千代田区三崎町2−21−6−301tel03−3221−4668


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