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緊急声明:
憲法改悪のための国民投票法はいらない〜与党による法案強行上程に抗議する

許すな!憲法改悪・市民連絡会

憲法9条の改悪をねらう自民党は「国民投票法」案の3党共同提出に失敗するや、与党だけで23日にも法案を作成し、来週中に提出するよう方針転換をした。その上で、民主にも対案を出させ、それへの更なる妥協も含めて修正協議で法案の成立をめざしている。
中山憲法調査特別委員長(自民)らは与党と民主党の主な意見の乖離は3点で、・国民投票の対象範囲(一般的国民投票を含めるかどうか)、・投票権者の範囲(20歳以上か、18歳以上か)、・投票用紙への賛否の記載方法(賛成○、反対×とし、有効投票の過半数で決するか、賛成○とし、投票総数の過半数で決するか)に絞られているなどととしており、マスコミも大方このような評価である。
しかし、これが自公による「日本国憲法の改正手続きに関する法律案(仮称)・骨子素案」の問題点の全てではない。それどころか主な問題点の全てでもない。特別委員会の議論の中でも社民党、共産党からは多様な問題が指摘されているし、日弁連をはじめ、市民運動など各界からも多くの問題点の指摘がされてきた。民主党案自体が重大な問題を多々含んでおり、まだこれらの問題点がほとんど「全国民的」な議論になっていないのである。これらの膨大な問題点が中山氏のいう3点に矮小化され、取引されるとすれば禍根を後世に残すことになる。
与党案は言うまでもなく、民主党案にしても多様で重大な問題が数多くある。与野党それぞれの案で問題になるのは、・投票権者は民主のいう18歳でも問題はないか。15歳でいけない理由は何か。定住外国人は切り捨ててよいのか。・過半数の分母は投票総数か、有権者数か。まして与党のいう有効投票総数などは論外である。・投票期間は民主の60〜180日にしても極めて短すぎる。・やはり国民投票の成立か不成立かの基準としての最低投票率の規定は必要だろう。・「改正案広報協議会」の構成のありかたの問題。・与党は投票方式で抱き合わせの「一括投票」は撤回したようであるが、「関連する事項」でくくられるという問題は残っている。・運動の規制で、公務員・教員の「地位利用」にかこつけた弾圧の危険性の問題。外国人の運動規制の問題。・報道機関の「自主規制」の名による権力の干渉の危険性。・政党のテレビ放送、広告の国庫負担問題。カネさえあれば無制限のテレビ、ラジオ広告の問題。・国民投票無効の裁判の問題、などなどである。
これらの重要問題が国会の一部政党間での党利党略の取引で妥協され、修正案が作られるようなことがあってはならない。
そして何より、与党がなぜこうも急いで法案の成立をねらうのか。与党議員がいうような「立法不作為」の解消のためなどではさらさらない。今国会でも問題になっている米軍基地再編の動きにも見られるように、そこには一刻も早く、日本を世界的な規模で米軍とともに戦争のできる国にしようとする9条破壊のねらいがある。やはり私たちは「憲法改悪のための国民投票法はいらない」との主張から一歩も引き下がるわけにはいかない。

2006年5月18日


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