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米英イラク占領軍の拷問・虐待に抗議し、戦闘の即時停止と占領の終了を求める申入れ

2004年5月13日

アメリカ合州国大統領
ジョージ・W・ブツシュ様

米軍が捕えたイラク人を収容するアブグレイブ刑務所で、拷問・虐待が平然と行われていた事実は、私たちを慄然とさせました。また米国の最も緊密な同盟軍である英占領軍も、同様の虐待を行っていたことが明らかになりました。このような行為は、戦時の捕虜や被拘束者に対する虐待を禁じたジュネーヴ条約に違反するだけでなく、どんな場合であっても許されない非人道的な残虐行為として非難されるべきです。

米軍が被拘束者を虐待しているとの情報は、かねてから指摘されていました。あなたは合州国軍隊の最高司令官として、またラムズフェルド国防長官は直接の責任者として、この事実を知りうる立場にあり、またその事実を調査し、公表し、禁止し、処罰し、被害者に謝罪し、補償する責務がありました。しかしあなた方は、マスメディアが報道するまで知らぬ顔で口をつぐみ、「イラクの平和と自由」という言葉をしゃべり続けてきました。しかも、あなたが最初に謝罪の意を表明したのはヨルダン国王に対してであり、直接に被害者に対してではありませんでした。

あなたは、虐待をしたのは「一部の者であって、大多数の米兵ではない」と言いますが、それは問題のすりかえです。第一に、アブグレイブ刑務所に「特別区画」を設け、拷問・虐待を繰り返していたのは米国の情報機関員らだったと報じられていますが、その情報機関とはどこで、誰がそれを命令または容認していたのか、明らかにすべきです。彼らの行為は断じて「個人的逸脱」ではありえません。米軍および米国の国家機関である情報機関の組織的、継続的な犯罪であったことは疑う余地がありません。第二に、米軍や情報機関、事実上の「傭兵」などは、占領に抵抗する者だけでなく、その家族や周辺住民まで殺傷し、拘束してきました。非戦闘員を殺傷したり、無差別、無期限に拘束することは、ジュネーヴ条約でも禁じられていますが、あなたは事実上、軍事行動と占領政策にいかなる法的制限も認めないという立場をとってきました。大統領であるあなた自身のこうした態度が、アブグレイブの虐待をもたらすことにもなったと、私たちは考えています。そもそも、ありもしない大量破壊兵器の「証拠がある」として、国連安保理と国際社会の同意もないままイラク攻撃を行ったことが、一連の不法・無法行為の象徴であり、それを増幅させてきたのです。

あなた方のイラク攻撃と占領は、今や誰の目にも破綻が明らかです。名目的な「主権委譲」によって事実上のイラク占領を継続、イスラエルによるパレスチナの占領政策を容認して、そのうえに築こうとしている「大中東構想」など、あなたが否定した「帝国の野望」にほかなりません。それは世界の平和と安定と共生への道をはてしなく破壊するものです。

私たちは次のことを強く要求します。

あなたがこうすることだけが「イラクの平和と自由、人権」をもたらすことになるでしょう。私たちは、あなたが一日も早く良心と理性に基づく決断と行動をされるよう求めます。私たちはそれまで、イラク占領の終了と自衛隊を含む外国軍の即時撤退を求めて行動を続けます。合州国の人びとの良心と理性に期待する日本の友人として。

[共同申入れ団体]
ATTAC Japan/APPF(アジア太平洋平和フォーラム)/かながわ平和憲法を守る会/基地はいらない!女たちの全国ネット/グローバル・ピース・キャンペーン/憲法を生かす会/STOP!改憲・市民ネットワーク/戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国Fax通信/「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク/戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動/たんぽぽ舎/日本山妙法寺/日本消費者連盟/Noレイプ!Noベース!女たちの会/ピースアクション21/ふぇみん婦人民主クラブ/平和を実現するキリスト者ネット/フォーラム平和・人権・環境/ユーゴネット/許すな!憲法改悪・市民連絡会/労学舎/
協力:WORLD PEACE NOW 実行委員会


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