読売社説:憲法審査会再開 政権批判の場ではないはずだ

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読売のアホな社説です。反面教師として。
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読売社説:憲法審査会再開 政権批判の場ではないはずだ
2016年11月18日 06時02分

 過度の与野党対立を避け、丁寧な合意形成を目指す。そんな審査会の伝統を大切にしたい。

 衆院憲法審査会が1年5か月ぶりに実質的な審議を再開した。テーマは憲法制定の経緯などである。

 自民党の中谷元氏は、憲法制定に「GHQ(連合国軍総司令部)が関与したことは否定できない事実だ」と指摘した。一方で、GHQの「押しつけ」を強調すべきではないとの考えも示した。

 民進党の武正公一氏は、「日本の主体性が発揮された」と力説した。公明党の北側一雄氏も、「押しつけ憲法という主張自体、今や意味がない」と語った。

 米国の占領下とはいえ、二院制など日本側の主張も数多く反映された。国民主権、平和主義など憲法の基本原理は国民に定着している。各党がGHQの「押しつけ」だけを憲法改正の理由とする立場と一線を画したのは適切だ。

 参院選の結果、与党と憲法改正に前向きな勢力が両院で3分の2を超えた。だが、国民投票で過半数の賛成が必要な改正のハードルを踏まえれば、野党第1党を含めた幅広い合意形成が望ましい。

 疑問なのは、武正氏ら民進党議員が安全保障関連法や、自民党の憲法改正草案、安倍首相の改正論議の呼びかけを取り上げ、政権批判を意図的に展開したことだ。

 前日の参院審査会でも、「安保関連法を放置して改憲の議論は許されない」などと訴えた。

 憲法審査会は本来、いかに国の最高法規をより良いものにするかを冷静に論じる場だ。蓮舫代表が提案路線を掲げるなら、民進党には、より建設的な対応が求められる。「護憲」を唱えた共産、社民両党とは立場が異なるはずだ。

 日本維新の会が、自民、民進両党に具体的な改正項目を提案するよう求めたのは理解できる。

 2000年の衆参両院憲法調査会の設置以来、様々な論点の議論が尽くされ、今は改正項目を絞り込む段階にある。各党は独自の案を早急に出し合うべきだ。

 参院では、自民党が「合区」解消のため、参院議員の地域代表の性格を強める改正を主張したが、公明党は慎重だった。まずは、参院のあるべき姿について議論を深めるのも一案だろう。

 今国会中に予定される審査会はこの後、衆院の1回しかない。憲法改正原案の審議という重大な役割を担う機関として、怠慢すぎないか。国民が審査会の動向を注視する中、もっと精力的に議論することが欠かせない。
2016年11月18日 06時02分