東京新聞報道: 「3つの宿題」ようやく議論 衆院憲法審

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013052802000123.html

「3つの宿題」ようやく議論 衆院憲法審

2013年5月28日 朝刊
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 衆院の憲法審査会は近く、改憲に必要な国民投票法で積み残しとなっている、選挙権年齢の見直しなど「三つの宿題」の議論に入る。改憲を政治日程に載せたい自民党は、参院選後の秋の臨時国会を見据え、法改正に向けた環境整備を進めようとしている。 (岩崎健太朗)

 三つの宿題は、(1)国民投票年齢(十八歳)に合わせた選挙権年齢などの引き下げ(2)改憲の賛否などをめぐる公務員の意見表明の容認(3)予備的国民投票の是非?の検討課題。法律の制定時に与野党で結論が出ず、法律の付則に盛り込まれた。

 安倍晋三首相も「宿題を埋めないと(改憲発議要件を緩和する)九六条を改正するための国民投票自体ができない」と強調する。

 最大の焦点は、現在「二十歳」の成人年齢や選挙権年齢の引き下げだ。二○○七年に成立した国民投票法では、それぞれの年齢要件を一致させるべきだとして付則に「二〇一〇年五月の法施行までに必要な法制上の措置を講じる」としたが、手つかずのままで、事実上の違法状態だ。

 とはいえ「十八歳」への引き下げは、関連法令が三百以上に上り、社会的混乱を避けるための準備期間も必要。自民党は「宿題」に取り組んでいては「改憲論議の足かせとなる」(閣僚経験者)として、国民投票の投票年齢を「十八歳以上」で確定させた上で、選挙権年齢などはさらに棚上げする法改正を検討している。

 ほかの二つの宿題も先送りする方針だが、連立を組む公明党も「改憲の本質的な問題ではない」と足並みをそろえる考えだ。

 一方、日本維新の会は十六日に単独で提出した改正案で、投票年齢を「十八歳以上」で確定させるとともに、「公務員の政治的行為の緩和」も盛り込んだ。民主党は明確な対応を決めてないが、法案審議の過程で「三つの宿題」の解決を求めてきた経緯があり、自民党の改正案そのままでは受け入れがたい事情がある。

 自民党としては参院選の結果、衆参両院ともに与党で過半数を占めることができれば、改正案の成立は確実。ただ、党憲法改正推進本部長代行の船田元氏は「無理をすれば現実の改憲が動かなくなる。焦らず各党と議論すればいい」と慎重だ。