11月27日衆議院憲法審査会報告
? 前日の幹事会で開催が決まったということで、市民側は傍聴の体制がとれなかった。市民連からは3人だけが傍聴した。こんな運営のしかたは国民主権にもとる。
開会中の185臨時国会で初めて11月27日午前10時から衆議院憲法審査会が開かれた。議題は衆議院が9月12日から22日まで欧州に派遣した調査団の報告が中心だった。
はじめに訪問団団長の保利耕輔会長(自民)がドイツ、チェコ、イタリアの憲法と国民投票制度についての調査経過を報告した。つづいて副団長の武正幹事(民主)が各国の詳しい報告をした。報告では各国とも憲法改正要件は法律より厳しく、更に厳しくしようとする意見はあっても緩和しようという国はなかったこと。各国の憲法裁判所のあり方や、ナチスがポピュリズムと国民投票を乱用した経験のからドイツでは国民投票を採用しておらず、現在もワイマール憲法下の歴史の検証がつづいていることなどを報告した。
調査に参加した各党議員からも発言があった。各国の憲法がそれぞれの国の歴史を反映していることや憲法が国民から愛されているなどは共通していた。しかし維新やみんなの委員からは調査報告より一刻も早く改憲手続き法を修正・始動させるべきだという発言に力が入る始末だった。
自由討議では、長妻委員(民主)から村山談話を深めようという意見や、笠井委員(共産)から現憲法は国民の支持に支えられていると発言があった。しかし維新、みんな、自民の各党委員から、早く憲法改正手続き法を修正・始動させて憲法改正論議をはじめようという意見がつぎつぎ続き、今後も市民は監視の手をゆるめられない。
審査会の委員の入れ替えもあり、民主党は枝野議員や長島昭久、細野豪志などの委員にかわった。また、女性の委員は何と50人のなかで維新の三木圭恵委員だけだ。しかし自民などから西川京子議員のような超右翼ばかり出てこられも困るのだが。(土井登美江)